パラオレポート
 

2000年12月6日〜10日

はぁ〜〜〜(溜息)

みなさんがこれを読む頃には21世紀が華々しく明けているのでしょうが、 このレポートを仕上げている現在は、あと8時間あまりで20世紀が終わってしまうという時期です。
私が子供の頃は「夢の未来」だった21世紀、実際はどんな時代になるのでしょうか?
本来なら期待に胸を膨らませてカウントダウンに備えつつ気合を込めて年越しそばを食べるのが 正しい21世紀の迎え方なんでしょうが、 (必ずしもそうではないか?) 冒頭の溜息のとおり、な〜んかはしゃぐ気になれないんだな。私ニシムラは。
原因は、そう。私にとっては年末に欠かせない行事のパラオツアー。
間近に迫った「夢の未来」よりもはるかに素晴らしい「夢」を見てきたので、 もういいかな、てな感じ。 つまり、冒頭の溜息はパラオで青一色に染まった脳みそを支えて頬杖をつき、焦点を結ばない目で半笑いしながら漏らしているのです。
人はこれを「パラオショック」と呼ぶ。
・・・・ちょっと前振りが長かったかな?失礼いたしました。
私ニシムラ自らが20世紀最後の力を振り絞った、責任編集レポートです。


【12月6日】

7:00 ショップ集合。
天候は雲が多いが晴れ。天気予報では日本上空に寒波が来ているらしい。 早く目が覚めてスイッチを入れたテレビの天気予報は強い風が吹きそうな西高東低の気圧配置だった。 しかし飛行機が飛んでしまえば関係ない。今日の午後には遥か南に居るはずである。 昨日ショップに荷物を置きに行って「明日は暑い暑いって言ってるんだろうなぁ」と話していたら 留守番組にひんしゅくを買ってしまった。

8:30 名古屋空港到着。搭乗手続きを済ませて4階のレストランへ。
各々朝食を摂ったりコーヒーを飲んだりしながら、自己紹介。 今回のメンバーはパラオリピーターの安江さん、八島さん、廣江さん、古旗さん、 パラオは初めての吉沢さん、磯谷さん、松永さん、 そして平木さんと私、ニシムラである。
ダイビングを始めた年にパラオの海を知り、ハマってしまった。 それ以来欠かさず参加しているパラオツアー、今年も個性派揃いのメンバー、思い切り楽しい旅になりそうだ。

9:50 出国手続き。8番ゲートからコンチネンタル970便に搭乗。 暫くは退屈な機上の人となる。
機内食を摂ってひと眠りすると機体は降下を始めていた。 低緯度特有の紫外線の強そうな日差しの中に入道雲が浮かんでいる。 島の所々では雨も降っているようだ。機体は虹を追いかけながら滑走路にアプローチする。
現地時間16:00前到着。トランジットは約3時間。 出発ロビーの床に座り込んでカードをばら蒔き、恒例の大富豪で時間を潰す。 軽く夕食を摂り、18:45搭乗開始。 機内食はサンドイッチとポテトチップス。

ホテルにて。
雰囲気の良い吹き抜けの下には巨大なオウムガイが。

20:30パラオ着。
いつもの蒸し暑さが出迎えてくれる。これぞパラオ。 空港の建物が新しくなり、エアコンが良く効いていた。 現地旅行社「インパックツアー」の送迎バスでホテルへ。日本企業によるKBブリッジ再建が始まっていた。立派な橋になりそうだ。 コンダクターの田尻さんによると、日本はパラオに対して相当額の経済援助を行なっているそうだ。 大戦時の歴史的背景を鑑みてのことらしいが、この援助のおかげかパラオ国民の対日感情はかなり良いらしい。 xxx建設、がんばれ。
今年はいつものマラカルセントラルホテルにかわり、ダウンタウンのパレイシアホテル。 まさにリゾートホテルの様相。荷物を片づけ、バーでウエルカムの乾杯。 地ビールのRed Roosterは,去年より遥かに美味くなっている。独特の香りがあり、しかも他のビールより安い。 その後スーパーにビールとつまみを買いに行き、部屋で改めて乾杯。 明日からの期待に胸を膨らませつつ話が弾む。12:30就寝。

【12月7日】

6:00起床。
厚く覆った雲。やはりこの時期はまだ雨季が明けきっていないようだ。 短く激しい雨。 マラカルセントラルでは全く感じることのなかった 朝のダウンタウンの活気。行き交う車。 車の数は5年前に比べると確実に増えている。 ホテルの前のメインストリートは通勤ラッシュだろうか、軽い渋滞を起こしている。
ハウジングのふたを開け、湿気に機材を慣らす。 湿気の多いパラオでは、エアコンの効いた部屋に置いておいたハウジングを そのまま屋外に持ち出すと、一発で結露の憂き目に会う。 昨日洗って外に干した洗濯物は、湿気のせいで全く乾いていない。

7:00 朝食はバイキング形式。
米は蒸してあり、味噌汁のだしは少し匂いがあるが、和洋中と一通り揃っている。 卵はその場で焼いてもらえ、出来立てのオムレツを食べることが出来る。 満足しつつも食べ過ぎないように注意しながら朝食を終え、部屋に戻って出発の準備。 お菓子の袋に入っている乾燥剤をお守り代りに入れ、ハウジングのフタを閉める。

8:10 いつもお世話になっている現地サービス 「アクアマジック」 の車がピックアップに来てくれる。港まで約10分。
乗船して器材をセッティングし、9:00出港。いよいよ別世界へ出発である。
今回われわれをガイドしてくれるスタッフはイシイさんとスティン。 ボートにはわれわれの他に4人同乗しており、そちらにはウィリーが付く。よろしくお願いします。
船でポイントに移動中。青一色。


「今日はチェックダイブを兼ねて、いつものようにジャーマンチャネルかな」と予想していたが、 その予想に反してブルーコーナー方面へ向かう。南東の風を避ける為か。 40分程度船での移動。大型の船外機が2つ船尾でブンブンうなり、油を引いたような水面を滑るように進む。 4年前に初めて乗ったとき、決して小さくはないがペラペラの平底船に馬鹿でかいエンジンを2機も積み、 しかもえらく細い支柱にビニル屋根といったアンバランスなその様相に、 オペレーターが愛機に対するいたわりの片鱗も見せず全速でとばす船上で「途中でバラバラになるんじゃないか?」 などと思ったものだが、慣れるとこの胸のすく滑走感はなんともいえない。 パラオに通う理由の3割くらいはこれを味わうためと言っても過言ではあるまい。 「なぜパラオに行くのか?」「そこにバカッ速い舟があるから。」
水路を過ぎたあたりで減速する。何事かと思って辺りを見渡すと、別の船が島の近くに泊まっている。 先発の船が燃料を忘れたので、こちらの船に積んできたそうだ。 見ると去年ボウズ頭でガイド見習をしていたカメさんが乗っている。 髪は伸びて見事に脱色され、イイ男になっていた。いまやアクアマジックの看板ガイドとして雑誌にも登場している。 聞けば雑誌「ダイビングワールド」の取材だそうだ。 昼食時に無人島で落ち合い、写真撮影にまぜてもらうことになる。

1本目のポイントはブルーホール。
棚の少し沖合いでエントリし、真上に空いているいつもの竪穴から洞へと下りていく。 穴の中にはウコンハネガイ、ニチリンダテハゼ、アカマツカサなど。 洞の前景とみんなの写真を撮る為、平木さんが下の大きな穴から棚の下へと下りていく。 透明度が良いため、姿ははっきり見えるのだがどんどん小さくなっていく。 我々が待っている穴の淵で27m。とすると平木さんの居る辺りは… 日本の海とは全く異質の不思議な感覚。軽い恐怖と爽快感が交錯する。
15分程洞内で過ごし、横穴から出てグレイリーフシャーク、カッポレ等が悠々と泳ぐ中を 棚沿いにブルーコーナーに向けて流す。
棚から離れて浮上、エキジット。潜水時間41分、最大水深27.9m、エア消費150bar。

1時間程船上で水面休息を取る。船の周りに魚が寄ってくる。 それを狙ってサメも寄ってきた。 用を足したい人は少し警戒しながら水中に半身を浸ける。 サメを見に行こうとした古旗さんがスノーケル越しに悲鳴を上げる。 ゴマモンガラも数匹寄ってきていたらしい。サメよりよっぽど恐い。

ブルーコーナーのカンムリブダイ。
色めき立つダイバーを尻目に食事中。

2本目はブルーコーナー。壁を右手に見ながらドリフト。
棚に上がって暫く大物を待ち、棚上を振り向いたとたん凄い光景が。 1mクラスのカンムリブダイが6匹、珊瑚をかじりながらゆっくりと泳いでいる。 その後ろにはモンガラカワハギやタテジマキンチャクダイが、カンムリブダイのおこぼれに与かろうと寄ってくる。 おまけに中層にはマダラトビエイが飛んできた。 腹に取り付くコバンザメを嫌ってか、時折水中で身を翻してアクロバチックに急上昇する。 のっけからオールスターキャストの、素晴らしい水中ショー。
棚待ちでフイルムを使い果たした僕は、悔しさのあまりマウスピースも噛み切らんばかりに歯軋りする。 しかし、初日から幸先のいいスタート。期待指数はどんどん上昇。 他のグループにしつこく追いかけられているマダラトビエイを見つつ、棚の上で浮上してエキジット。
潜水時間47分、最大水深22.1m、エア消費150bar。

マダラトビエイ。水中で跳んだ。

昼食を摂りに無人島へ上陸。撮影班は既に到着しており、弁当を持って合流。 砂で作ったイルカの前で「みんなで楽しくランチタイム」の写真。 ダイビングワールド2月号、1月10日発売だそうです。
砂イルカに対抗して、平木さんが産卵するカメ、古旗さんがマンタ、 ニシムラがマダラトビエイを作る。が、あえなく波に消えた。
波打ち際でのんびり遊び、出発まで後10分というところで シュノーケリングでツバメウオの幼魚が見られるとの情報。一同3点セットを付けてダッシュ。 縦にひしゃげた三角形がペアで泳いでいた。 数人で囲い込んで追い掛け回すが、 (あまりお行儀のよいダイバーではないですな・・・) 逃げ方もどこか悠然としているというか、切羽詰まった感じがしない。 追いかけっこを楽しんでいるのか、どんくさい人間をナメきっているのか・・・

島から30分ほどで港に到着。ウエットスーツをサービスの軒先に干してスタッフにホテルまで送ってもらう。 夕食まで間があるのでホテルのプールで一泳ぎ。 水深1.8mと少し深めだが、気持ちいい。 ただし、塩は抜けたがカルキがきつく、目が痛かった。 パレイシアホテルのプールで泳がれる方はゴーグル持参をお勧めします。

夕食はどらごん亭。同じボートだった方々にスタッフのイシイさんも合流。 まずはビールで乾杯し、泡盛へと進む。 ホテルに戻り、ログ付けをして11:30までうだうだ。
どらごん亭で乾杯。 そのあとホテルの部屋でうだうだ。

【12月8日】

6:00起床。昨日少し食べ過ぎ&呑み過ぎでおなかの調子が芳しくない。
昨日の夕飯前に、調子に乗ってビールと豆とスナック菓子を食べまくったのがいけなかったようだ。 しかし、今日はあの憧れのペリリュー。 お菓子の食べすぎでおなか壊してエントリできませんでした、なんて、絶対に言えない。 気合と偶然持ってきていた下痢止めで何とか腹を治め、 朝食はおかゆで我慢して出発。みんなの顔が期待でほころんでいる。 調子を合わせて引きつり気味に笑う。
今日は我々平木組の単独行動。 昨日より一回り小さな船で1時間ちょっと走り、ペリリュー島に到着。

一本目はペリリューエクスプレス。
船の上から覗くと透明度は抜群。そのまま飛び込みたくなる。 はやる気持ちを抑えつつセッティングし、エントリ。 気持ちを抑えきれず、危うくカメラを船の上に置いたまま潜降しそうになる。 棚上で集合してエッジに向かう。
大物ポイントとのことだが、棚上のマクロ〜中型魚もかなり面白い。 エントリ直後にツユベラの幼魚、クロユリハゼの団体様。 コショウダイも至る所に居る。タテジマキンチャクダイとゴマモンもそこら中で見られた。 エッジではグレイリーフシャーク、カスミチョウチョウウオ、 タイマイ、アオウミガメなど。群れではないがバラクーダにも遭遇。
流れの速さはかなりのもの。泡は斜めに飛んで行き、マスクに付けたスノーケルが震えているのが判る。 カレントフックが重宝した。 棚に上がってエキジット。潜水時間42分、最大水深21.2m、エア消費170bar。残圧20まで吸ってしまった。
ペリリューのサカナたち。

ブラッディ・ビーチの慰霊碑

潮待ちで少し長めのランチタイムは、ペリリュー島の旧日本軍の軍港跡に上陸。 崩れた石積と朽ちた鉄骨の上の洒落たウッドデッキで昼食を摂り、 散歩がてら戦地跡のその名も「ブラッディ・ビーチ」へ。 バナナ、ヤシ、びんろうじゅの繁る小道をぷらぷらと歩く。 荷台に魚を無造作に載せたトラックとすれ違う。 強烈な日差し。平和な南国の風景。
砂浜の手前には芝生が植えてある小さな公園のような場所に 鉄パイプで作った十字架が立ち、 映画でよく見るように錆びてぼろぼろになったヘルメットがかけてあった。 その脇には石造りの慰霊碑。碑文を読むと、どうやら上陸作戦で米軍の小隊が全滅したようだ。
平和そのものに見える場所にも、歴史はあった。

2本目はメインのポイントであるペリリューコーナーの潮が安定しない為、 代わりに少し回り込んだイエローウォールというポイントへ。 このダイビングは廣江さんの記念すべき200本目のダイビングである。 イシイさんが記念の旗を持ってきてくれた。
棚を右手に見ながら、前半はエッジの外、後半は棚上を流す。 1本目と同様の強めの流れに加え、上げ潮と下げ潮が複雑に入れ替わる。 棚上の地形も起伏に富んでおり、ダイナミックでスリリングなドリフトダイブを楽しむ。 棚に掴まり、暫くバラフエダイの群れを観察。なぜか突然一斉にどこかへ行ってしまった。 ここも棚上のマクロが面白い。アカハチハゼを見つけるが、カメラをセットしている間に逃げられてしまった。
棚から沖に出て-5mで安全停止。この間に廣江さん200本の記念撮影。 ところがみんなで旗を広げるのに夢中になっているうちにダウンカレントに捕まり、 一気に-18mまで落ちてしまう。 遥か頭上でウィリーがダイビングベルを激しく鳴らし、両手の親指を突き立てて振る。 あぶないあぶない。
潜水時間43分、最大水深22.3m、エア消費140bar。

200本の記念ケーキ。みんなで美味しく頂きました。

帰りも船で1時間。ペリカンケースを枕にして船の床に寝転ぶ。 パラオでのダイビングで好きなものの一つ、走っている船の上での昼寝。 さっきの3割のうち1割くらいはこれ。
うとうとする程度だが、船外機の音と船底にぶつかる波の音がとても心地よい。
サービスに帰ってログ付けをしていると、「200」の形のローソクの立ったチョコレートケーキが登場。 みんなで祝いつつ平らげた。ローソクは廣江さんがクリームをきれいに拭いて持って帰る。

この日の夕食はその名も「中国飯店」という名の中華料理屋さん。
メニューを見てみんなで注文を決めていると突然厨房からでてきたお兄さんが、 「マングローブガニ美味いよこれちょと小さいけど奥に大きいのあるよ1ポンド12ドル。」 と寄ってきた。キロ2500円。高い。やめた。
豚の耳の和え物、ニンニクの利いたジャガイモの千切りサラダ、 ピーマンがとことん辛いチンジャオロースー、チャーハンに五目焼きそばと、どれも量が多くて美味。 ただ一つ、大根と海老のサラダはすごく苦かった。 大根のアクと海鮮のダシのほろ苦さが相乗効果でかもし出す、なんとも言えない苦さ。 ただ二人、安江さんと廣江さんは美味いと言い張る。まぁ、人それぞれだからいいけど。

食事が終わって買い物をして、ホテルに帰るとなぜか大富豪大会。 12:00に終わって就寝。今回のツアーはなぜか夜更かし気味。

【12月9日】

とうとう来てしまった。最終日。
終わりを考えると憂鬱だが、まだ終わったわけではない。今日を精一杯楽しむべし。
まずはポイントに向かう船の上で、寝る。

1本目はニュードロップオフ。ブルーコーナーに負けず劣らずのダイナミックなポイントである。
棚を左手に見ながらエッジの少し下を流す。美しいヨスジフエダイやノコギリダイ、 チョウチョウコショウダイのペア、マダラタルミにカンムリブダイにナポレオン・・・ 今回のツアーを象徴するかのような、小粒だが豪華な顔ぶれ。 昨日まではなぜかシャッターを押す指が鈍りがちだったが、 ここぞとばかりに撮りまくる。
潜水時間46分、最大水深19.6m、エア消費150bar。

上がって1時間ほど船上で休憩。2本目のポイントであるブルーコーナーに向かうと、イルカの群れに遭遇。 男性陣はカメラとビデオを持って船上を右往左往。女性陣は舳先に陣取って水上のダンスに黄色い声で応える。 イルカ好きの松永さん、舳先でジャンプする姿を目の当たりにして、壊れる。

2本目は初日の感動を胸に秘めつつ、ブルーコーナーへ。 ただし翌日のフライトを考えて棚上を流すことに。
先端の棚の上をぐるぐる回る。ここはチョウチョウウオやキンチャクダイの宝庫。 残りのフイルムを使い尽くすつもりでシャッターを切る。
棚から離れて5mで安全停止。出来るものならこの青の中でずっと居たいと思う。 が、タンクのエアが切れてはそれも叶わない。 浮上したら水面でカツオドリが出迎えてくれた。彼らの生活場所は、空なのか、海なのか。 我々はどう逆立ちしても、陸上の生き物である。 パラオの海では200barのタンクで50分が限界。 ダイビングコンピュータはあと半日経たないと空も飛べないことを告げている。 科学技術なんて、所詮こんなもの。 でも、スキューバダイビングギアを生み出したテクノロジーには心の底から感謝している。 たとえ1時間足らずの間でも、現実世界でこんなすばらしい「夢」を見られるのだから。 これ以上の科学は要らないと、たまに思う。行き過ぎは夢の舞台を壊してしまいはしないかと。
潜水時間46分、最大水深16.7m、エア消費145bar。

雨、止まないかなぁ。

ランチを取りに初日と同じ島へと向かう。 行く先の雲行きが怪しいと思ったら、やはり来た。ボートの上の痛い雨。 スコールほど大粒ではないものの、船足が速いために素肌に直接浴びるとパチパチと痛い。 慌ててTシャツやウィンドブレーカーで防御し、物陰(人陰?)に避難する。
島に着くと、取材班御一行が待っていた。 平木さんをはじめ、古旗さん、廣江さん、松永さん、磯谷さん、吉沢さんがインタビューを受ける。 ダイビングショップのインストラクター、ベテランダイバー、ビギナー、 それぞれのパラオに対する想い、海に対する想い。

取材陣と他のボートに別れを告げ、帰途に着く。 ロックアイランドの中を縫うように走るうちに、いつの間にか雨は上がっていた。 途中カツオ漁船が数mの海底に沈んでいるポイントでシュノーケリング。 10分間と時間が切られていたが、みんななかなか上がらない。帰りたくない。

港に着き、器材をバンに積み込んでホテルへ。ツアーの間お世話になったイシイさんと硬い握手を交わす。 来年もよろしく、と。

「さくら」にて。

部屋のバスルームで器材を塩抜きし、ベランダに干して最後の買い物へ。 いつものWCTCで会社へのお土産を買い、ホテルに戻って免税店でまた物色。 気がつくと食事に行く時間である。

最後の食事は居酒屋「さくら」。 寂しい気持ちを吹き飛ばすかのように、飲む。 麻婆豆腐が辛いと言っては飲み、いい海だったねと言っては飲み、 日本は寒いだろうなと言っては飲む。
普段はまったく飲めない安江さんまでがビールにレモンハイ、日本酒にまで口をつけ、撃沈。 途中でイシイさん合流し、宴は更に加速する。 店を出たのは何時だったか。

ホテルに帰ってパッキングを済ませ、しばらく仮眠。 酔いが覚めてきた。頭が痛い。飲みすぎだ。 ピックアップの12時5分が近づき、一同ロビーに。 酔い覚めと眠気でみんなマグロのよう。言葉も無くバスに乗り込む。
空港でチェックインすると、なぜか平木さん以外は「グアムから名古屋の便は、グアムで発券します」とのこと。 「おかしいな」とは思ったが、眠気に負けた。無気力にそのまま出国審査を済ませて飛行機へ。

2:30出発。離陸滑走の加速を感じる間もなく眠りに就く。気がついたらグアム空港に着いていた。 カウンタで発券を済ませようとすると、なんと「1人分の席が無い」との返事。オーバーブッキングである。
一同詰め寄るが、なにせ相手は英語でまくし立てる。ひるみながらも「全員今日中に帰る。こちらにミスはない」と片言で告げる。
カウンターの女性が提示した代替案は、なんと仙台経由、しかも一泊。冗談じゃない。 グアムで泊まったほうがましだ。
「どうせならパラオで足止めしてくれ。もう一回ぐらい潜れたのに。」などと不遜な考えが頭をよぎるが、 現実問題としてそんなこと言っている場合ではない。なにより明日は全員仕事がある。 出発時間が近づいてくる。他の客は搭乗を始めた。
仕方なく、平木さんが1人残ることに。納得いかないまま他のメンバーは飛行機に乗り込む。 与えられたチケットの席番は4F。ビジネスクラスである。本当に席が無かったらしい。 平木さんから名義変更した廣江さんを除く全員が座り心地の良い席に着く。しかし気持ちは収まらない。 運ばれた食事もそこそこにふて寝する。あっという間に名古屋に着いた。 荷物を受け取りロビーに出ると、奥さんのお出迎え。 平木さんはなんとか今夜の便で帰ってこれるとのこと。一同胸をなでおろす。

ショップに戻り、八島さんの撮影したビデオを見て一旦解散。駐車場で荷物を各々の車に積み込む。 ちょうど昼時で、八島さんの「ご飯でも食べに行く?」との一言に全員賛成。 結局ショップに戻ってピザを取ることに。 最近御無沙汰の西夫妻も呼び出し、買ってきたお土産を渡す。ひとしきり食べてしゃべって、今度は本当の解散。

今年のパラオツアーが終わった。次回は21世紀。そう、もちろん来年も参加するつもりである。

 

 
     

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